#43 Cutting Edge Blue (カッティングエッジ ブルー) 和訳 Chapter9「口論と真実」
[第一段落]
真実はおそらく上手なコミュニケーションにとって最大の障壁でしょう。
友人、あるいは配偶者との口論中、あなたは自分が正しいと強く確信しているために相手の視点を理解しようとしないかもしれません。
そうはせずに、あなたは言い争って相手に無理やり同意させようとします。
このやり方は、決してうまく行きません。
相手が同意するように説得すればするほど、相手はさらに理解をこねるようになることにあなたはおそらく気づいているでしょう。
これはあなたが相手の立場に耳を傾けていないからです。
相手は自分の感情が無視されていると思い、あなたに耳を傾けさせようとしてより声高に、より長い時間主張するようになるでしょう。
結局、両者が怒りと欲求不満を感じて終わることになります。
[第二段落]
あなたは、自分がこのようなことをしているとは全く気づいていないかもしれません。
ある女性の夫は最近、こう言いました。
「サラ、君は僕の都合を考えずにいつも自分のしたいことをしているね。君は自分のキャリアや自分の都合を第一にしています。」
するとサラは答えました。
「そんなことはないわ。あなたのことが最優先よ、ハロルド。でも大きな試験が近づいてきたら勉強を優先しないといけないときもあるのよ。」
サラは自分が誠実で理性的に振る舞っていると思っているかもしれないが、彼女は、この件について自分が正しく彼が間違っていることを示唆するという過ちを犯しています。
サラがハロルドを否定した瞬間に彼女は彼が正しいということを立証しているのです。
実際のところ、サラはハロルドの視点を理解しようとはしておらず、単に自分の都合と状況に対する自分の見解のみに耳を傾けています。
それこそがまさに彼が不満を訴えていることなのです!
[第三段落]
さて、それでは代替策は何でしょうか。
彼女は、「 私は〜だと感じる」といった発言で自分の感情を表現できるでしょう。
彼女はどう感じているのでしょうか。
自分は叱責されていると感じているのです!
それなら、理屈っぽくなる代わりに、ただそう「叱られている気がする」と言ったらどうでしょうか。彼女はまた、彼が考え感じていることを理解しようと努めることもできるでしょう。
彼はどう感じているのでしょうか。
彼は締め出され、無視されていると感じているのです。
彼女は次のように言うことができるでしょう。
「私は批判されていると感じて腹が立ったけど、 あなたの言うことにも一理あることはわかるわ、あなたはどうやら、 私が自分のキャリア を優先していて、自分が冷たくされていると感じているみたいね。 そんなふうに感じているんでしょう? もしそうなら、あなたが傷ついて腹を立てるのも理解できるわ」
[第四段落]
私は人間関係のトラブルを抱えた何百人という人たちと関わってきたが、そのほぼ全員が、「真実」 について言い争うという同じ間違いを犯していました。
この戦術は誰にとっても、問題の解決に役立つことは決してありませんでした。
自分が腹を立てているとき、あなたは自分の考えや感情に正当な根拠がある理由を説明したいと いう激しい衝動に駆られるでしょう。
「それをしてはいけない! 」
あなたは自分を 弁護し、議論したいという強い衝動を感じるでしょう。
「それをしてはいけない! 」
あなたが人に真実を指摘しようとするとき、たいてい起こることは何でしょうか。
あなたが口論して自己弁護的になったとき、 あなたの配偶者は口論をやめて、「ありがとう、私の目を覚ましてくれて感謝します。 私のどこがそんなに悪かったか、 今わかりました」 と言ったことがかつてあったでしょうか。
あるわけがないです!
[第五段落]
言い争いを解決するカギは、 多くの場合、一歩引いて異なるアプローチを探ることです。
要するに、 決して「真実」を守ってはいけないのです。
あなたの「真実」はあなたの敵なのです!
自分にその真実の独占権がある [自分の真実は誰にも譲れない] という考えを捨てて、 相手の視点を理解しようとすれば、人はもっとあなたに耳を傾けようという気になり、 あなた自身の視点を理解しようという気にもなるものだということに、あなたは気づくでしょう。
何か間違いがありましたら、コメントでご指摘していただけるとありがたいです。
次のチャプターの和訳です。